ズボラ女が恋する瞬間
営業VSデザイン部
チャイムを押す手が、小さく震える。

1度ゆっくりと深呼吸をし、チャイムのボタンを押す。


「こんばんわ」


ドアの隙間から見えた、三浦にありきたりの挨拶をする。


「何してんの」


何って、えっと・・・


「謝りに?」

「入れば」


鼻でフッと笑みを零し、中へと招かれる。


「何か飲む?」

「いや、お構いなく」


そう言ったのに、缶ビールがテーブルに置かれる。


「仕事、してたんですか?」


テーブルの上のパソコンや書類を、片す三浦に尋ねる。


「まぁ。持って帰って来た仕事もあったから」

「なら、その仕事が片付けてください」

「もう、終わった」


普通、あたしが来た途端に終わる?

絶対、変に気を遣ってらっしゃる。

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