ズボラ女が恋する瞬間
「凄いね。今、美緒が怖い女に見えるよ」

「そう?褒め言葉として、受け取っておくわ」


いや、これっぽっちも褒めてはいないけど・・・

あたしは呆れたように、自嘲的な笑みを零した。

美緒とそんな会話をしていると、いつの間にか席は埋まって居て、主催者の乾杯の合図で飲み会がスタートした。

高校ぶりの再会に、話に花が咲く。

お酒も進み、あっという間に時間も流れる。


「よ、泉!」

「久しぶり、加藤くん」


美緒がお手洗いに席を立ったのを良い事に、加藤はあたしの隣に腰を下ろす。


「元気だった?」

「うん。加藤くんも、元気じゃん」

「おう。泉、佐倉と同じ会社に居るんだろ?すげぇ、大手じゃん」


加藤の言葉に、あたしは愛想笑いをする。

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