小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
ナナの誕生日当日に事件は起こった。


その日は日曜日で休み。

朝から張り切って海に連れていくつもりだった。
海の後はお洒落なレストランでディナーをして、そしてサプライズも考えている。


ナナ、喜ぶかな…?


海パンを用意し、そろそろナナを迎えに行こう…そう思った矢先。

ケータイがメールの受信を知らせた。


ナナか―――?


そう思いメールを開く。
するとメールの相手は俺の想像とは違っていた。
ナナコだった。



【やっぱりシュンのとこに行こうかな…】



は?



その瞬間に全身の力が抜けた。

何を…
何を言ってるんだ―――?


俺はすぐに地元のナナコのアパートに向かった。
場所は式の後、送っていったし知っていたが地元まで戻るのに1時間がかかってしまう。

1時間…。

大丈夫だよな…?


迷うことはないだろうから1時間で着くはずだ。


内心焦った。


【今すぐ行くから!】


出掛けにそうメールをしたが返事がない。

そのことも俺を不安にさせていた。


―――シュン!


お前、ナナコのこと見守ってんだろ!?

止めろよ!!

絶対、止めろよ…!!


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