小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「ナナ‥‥ちゃん?」



初めて聞いたハルトの声。

思っていたより少し低い。

「あっ‥‥ハイ‥‥」


見上げるとキレイな顔。

ハルトはとってもかっこよかった。
まつげの長い優しそうな瞳が印象的だった。


ハルトは私の隣に座ると、

「初めまして、だね!」

って言って手を差し出した。


なんの意味かわかんなくて一瞬戸惑ってから慌てて握手した。


初めて触れたハルトの手は少し冷たくて気持ち良かった。



「あの、私‥‥ゴメンナサイ!!嘘ついちゃって!」


思いっきり謝った。


「ははっ!必死になんないでよ!怒ってねぇし!俺も昨日わざといじわるなメールしたし!」


「え?」


「“あの場所で”とかわざと言ったし」


あ、そうだよね‥‥。


「おあいこ。ごめんな、でも俺、こっちのナナちゃんに会ってみたかったんだ。許してくれる?」


「‥‥うん」


ハルトは茶色く染めた髪がとても似合ってた。

夕日が透けて見えるみたいなキレイな色。







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