小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
それから数分してやっと少し楽になった。



気付くとリビングからチカが心配そうにかわいらしい顔をのぞかせていた。

あまりの騒ぎに目が覚めてしまったみたい。


それに気付くとお母さんは

「大丈夫よ!」

とチカに微笑んだ。


「‥うん‥」


泣き出しそうな顔をしているチカ。

床にぺたんと座り込んでいた私のところにおずおずとやってくる。

そして‥

「はい、お水‥」

チカの小さな手にはグラスが握られていた。

「ありがと、チカ…。」


受け取るとまた泣きそうになる。


突然姉が苦しんで怖かっただろうに。

チカの気持ちが嬉しかった。

「ありがと、チカ。お姉ちゃん大丈夫だから、ね。」


大丈夫、大丈夫、

‥大丈夫‥。

私は自分に言い聞かせる。
大丈夫…。


──確実に心は壊れていたのに。







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