管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


なんとか車椅子を使って動けるようになった蒼真は、崇雲の手を借りて絢と真理亜の病室に向かった。


大部屋で、二人同じ部屋に入ったらしい。


大した怪我もなく、煙を少し吸ってぼんやりしていた絢。


「園…」


「蒼真さん!?動いて大丈夫なんですか!?」


「……よかった無事で…」


思わず涙ぐむ。


「真理亜さんがいますよ」


こんなところにいたら、また傷つけてしまう。


と、真理亜のベッドに行き、


「……菊池、悪かったな。俺のせいで傷つけた」


頭を下げた。
ふっ、と目を開けた真理亜。


「人がよすぎるんですよ。蒼真さんも、園さんも」


ふて腐れる。


「殺そうとしたのに、助けるなんて、バカです」


「それがあいつの、いいところだ」


「だから、好きになったんですね」


「…どうだろな」



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