その背中、抱きしめて 【下】



集合場所へ急ぎながら、両頬を手で覆って熱を冷ます。


(名前呼んじゃったー…)


しかも急いで電話切っちゃったし。

出来もしないことするんじゃなかった。


(こんなんじゃ、いつまでたっても高遠くんのこと名前で呼べないや…)




ピロリン。


LINEの着信音。

歩きながら画面を見ると、高遠くんからだった。



『さっきの何アレ。あれ反則』


そしてその後に


『でもあれで6日間乗り切れそう。楽しんできなね』




スマホを見ながら顔が緩んだ。



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