アメトムチ。
ケツイトサソイ
「ホントにいいんだな?」
「ぅ・・・・・は、ぃ・・っ!」
「じゃあこっち向いて」と彼は言いながら、私の顎を、右手で軽く掴んだ。

この人の、熱い指の感触に、思わず私はハッと息を飲む。
もうここまで来たんだから、引き返せない。
でも・・・これでいい。いいの!
変わりたいと思うなら、今までの私にサヨナラしなきゃ!

彼の左手は、私の肩あたりに置かれている。
細身な体をしているけど、彼の手は私よりも大きくて、ゴツゴツしているのが、感触で分かる。
それ以上に、私の心臓が、ドキドキ、ドキドキ・・・あぁ、鼓動が激しい!

「まずはキスから、始めよっか」

軽い口調で彼は言っている。
ということは、やっぱり私よりも経験が豊富なんだよね。
ていうか、私の場合、過去の経験ゼロだから。

だからこの人に全てを任せても・・・この人が私の最初の人で、大丈夫。
ほら、この人はこんなにステキな目をしているのよ?
それがこの人にしようって決めた理由の一つでしょ?

私は必死に、自分にそう言い聞かせることで、落ち着きを取り戻そうとした。
だけど、やっぱり・・・。

「ダメぇ!」

私は、両目をギュッとつぶると、数センチ前まで迫ってきていた彼を、ドンと押した。

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