アメトムチ。
「な・・・なんとなく?」
「ああ。なんとなく。ってちーちゃんもあるだろ?“これ好き”とか“嫌い”って、どこがどうだとハッキリ言えないが、好きか嫌いかは“分かる”って感覚。その感覚を言葉で表現したのが“なんとなく”なんだよ」
「へぇ。そうなんですか。ふ~ん」と感心する私に、ののさんは「だからな、“なんとなく”という感覚を侮っちゃいけないぞ」と、教えるように言った。

「はぃ」
「だから、俺はちーちゃんのことが、“なんとなく”だが、好きだとハッキリ言える。どこがと聞かれても、俺には分かんね。たぶん、ちーちゃんの存在そのもの、全部が好きなんだと思う」
「ふぁ・・」

そんなこと、誰かに、しかも男の人に言われたのは初めて。

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