お兄ちゃん先生
第一章

お兄ちゃんと私

私は自分の名前が嫌い。

だって私には可愛過ぎる。「ぶりっ子っぽい」って陰口叩かれたこともあるぐらいだもん。

平仮名で「める」なんて――

地味顔で可愛さの欠片もない私に全く似合わない。「可愛い名前だね」って褒めてもらうこともあるけど、それって「名前だけは可愛いね」の裏返しなんじゃないか、なんて思っちゃうこともあるぐらい。

名前で呼ばれるのも嫌い。ちゃん付けなんてもってのほか。だからよっぽど仲の良い友達じゃない限り、名字で呼んでもらってる。
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