國比呂少年怪異譚
その日彼女の家に帰った俺達は、すぐさまリンフォンと黄ばんだ説明書を新聞紙に包み、ガムテープでぐるぐる巻きにして、ゴミ置き場に投げ捨てた。

やがてゴミは回収され、それ以来これといった怪異は起きていない。

数週間後、彼女の家に行った時、アナグラム好きでもある彼女が、紙とペンを持ち、こう言い始めた。

「あの、リンフォンってRINFONEの綴りだよね。偶然というか、こじ付けかもしれないけど、これを並べ替えるとINFERNO(地獄)とも読めるんだけど…」

「…ハハハ、まさか。偶然偶然」

「魚、完成してたら一体どうなってたんだろうね」

「ハハハ…」

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