恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
「それはよかった。結婚しても仕事を続けてもらえることは、会社にとっても喜ばしいことです。今までたくさん投資してきたからね。しっかり働いてもらって回収しないと」

最後は笑いながら言われた。

羽鳥さんはユーモアがある。相手を笑顔にして、心を開かせ、話を進めていく。さすがだなぁと思うところ。

「まあ、それは冗談としても。

橘さん。
社長は、女性が結婚・出産をしても仕事を続けられる会社にしたいとおっしゃってる。
環境整備はもちろん、仕事を続けるモチベーションアップのためのプロジェクトも始まる予定。

でも、こういうのは、いくらトップダウンの指示があっても、実践する人がいなければ、文化になっていかない。チャンスと思って、うまく会社を利用しなさい」

……会社を利用するなんて、考えたこともなかった。
やっぱり管理職になる人はすごいなぁ。

「ごめんなさい、私が先にしゃべってしまって。熊田さん、どうぞ」

部長の貫禄たっぷりの熊田さんが、うむ、とうなづき、話し出す。

「後に控えてる者もいる……と、思う。よい事例となるよう期待している」

同じ商品部の未婚女子、玲子さんや渚ちゃんの顔が浮かぶ。
私は深くうなづいた。
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