君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS



全国優勝が決まって


表彰式まで時間があるから


女子の決勝でも見てみようかとスタンド席に座った。




「女子の決勝、うちの県代表だろ?優勝するといいな」


隣に座った大地が晴れ晴れした顔で始まったばかりの試合に目をやる。


試合開始を知らせる審判のホイッスルが鳴って、俺もコートに目を落とした。


そして、気付いた。


スパイカーなのに、一際小さい選手がいることに。



「ずいぶん小せぇな…」

独り言のはずだった言葉は大地に受け取られた。

「え、どれ?どっち?」


「藤ヶ丘の4番」

俺たちと同じ県代表の藤ヶ丘中。

しかも同じ市内だから学校は知ってるけど、女バレ強かったんだな。


それにしても、4番つけてるってことはエースだろ?

それであの身長?

ここから見ても小さいのがよくわかる。


(エースナンバーだけど、実はエースじゃないのか?ライトにいるしな…)


「あ、ほんとだ。ずいぶん小っちぇえな。あれでスパイク打てんのかな。ネットに届くかぁ?」



相手のサーブから始まった試合は、藤ヶ丘のスパイクが決まって1つローテーションした。

後衛にいた小さな4番が前衛に上がった。



< 1 / 44 >

この作品をシェア

pagetop