四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
一人前と言っても、まだまだ修行不足なのは否めません。

メグさんのように呪眼も持っていなければ、『再生』なんて高度な魔術も施していません。

ようやく最近、高速詠唱が使えるようになった程度です。

今でも時々神代の言葉を忘れちゃって、魔術書での復習が欠かせないんです。

『魔道の探求は一代にしてならず』。

私が幼い頃、メグさんが教えてくださった言葉ですよね。

今になって身に沁みてよく理解できます。

魔力量が増えるように、メグさんに稽古をつけて頂いたあの日からの鍛錬も欠かしていませんよ。

メグさんの足元にも及ばないものの、昔に比べれば随分魔力が蓄えられるようになりました。

…魔女の修行を始めて十五年。

やっとここまで辿り着く事が出来ました。

でもメグさんは、十七歳の時にはもう障壁も再生の魔術も呪眼も、自由自在に操る事ができたんですよね。

やっぱりメグさんは凄いです。

デッドゲイト家始まって以来の天才と呼ばれるだけの事はあります。

私も頑張らなくっちゃ。

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