翼をください
「翼があったら自由に飛べるのかなって昔そう思ってたけど、違うんだな」
翼は心の何処かで、納得したような、諦めたような、そんな結論を出したような言い方をした。
「私は……片翼でいい」
突然そう言った私。
だって……
だってね?
「翼が両方生えてたら、飛んでいっちゃうんでしょう?それなら嫌だよ……1人でどこかに行かないで……寂しいよ……」
そう言った私を、翼はどう思ったのだろう。
まだ知らない真実をまるで知ってしまったように話し出す口。
どこにも行かないで、と思ってしまう心。