翼をください




「わかんないや。」




思い浮かばなかった。




ただ、今が幸せならそれでいい。




今が幸せだから、このままがいい。




「翼は?」




唯と怜が言い合っている中、翼に聞いた。




「俺は―…」





唯と怜の声にかきけられて聞こえなかったけど、あえて聞き返さなかった。




だって…




だって、寂しそうに…悲しそうに星空を見上げていたから。




何も、言えなかったんだ―…





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