翼をください
放課後。
翼が教室を出てから、私は少し後ろを歩いた。
校門を出ると、いつもと反対方向に歩いていく。
家と反対方向。
どこか寄るところがあるのかなぁ……
それなら早く話しかけなきゃ。
そう思って私は、息を深く吸って、ゆっくりと吐いた。
「翼!!」
翼は、ピタッと止まって振り返った。
そして、私の瞳をまっすぐとらえた。
「……何か用?」
久しぶりに聞いた翼の声。
綺麗な瞳。
それは、とても冷たく感じた。