本当の遠距離恋愛 1

 「そう、期待の先生だよね?」

 愛美は可愛い笑顔を畠山にむける。

 畠山もニコニコしながら愛美を見つめている。

 
 愛美と畠山は例の「月」で知り合ったらしい。

 「大事なお客様なの」とは言っているが、
  たぶん恋仲であろう。

 紗希は片思いの人を目の前にし、緊張していた。

 しかし、態度を豹変するバカな女にはなりたくない。

 「ねえ、紗希ちゃん、今度デートしようよ!」

 「えっ!」

 突然の遠藤の誘い。

 (うそ!うれしい!)

 飛び上がりたい気分だったが・・冷静に、冷静に・・

 「でも、遠藤さん彼女いるでしょ?」

 「いや、いないよ」

 あっけらんかという。

 「そう・・・」

 紗希の心臓は爆発しそうだった。が、

 「そう・・」という気の無いそぶりで答えた。

 普通の子だったら、「本当!どこに連れてってくれるの?」
  と聞くだろう。

 (素直にならなければ・・・)

 「紗希ちゃんは?彼氏いる?」

 「あっ・・いない・・・」

 「よかった!」

 この遠藤という男は計算というものをしないのか?

 もし「彼氏いるよ」と言ったらどういうリアクションをとるつもり
  だったのか・・・

 
 愛美は政治家先生と仲良く恋だの、愛だののお話をしてる。

 紗希は遠藤と・・・
  仲良く仕事の話をしてた。


 2時間後。

 4人は店をでた。

 「遠藤さん!紗希よろしくね!」

 愛美は遠藤にそう言い、畠山とタクシーに乗り込み消えていった。

 「紗希ちゃん、どうしようか?」

 「・・・えっと・・・」

 (帰りたくないけど・・・)

 「もう1軒行こうか!」



 
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