恋なんてするわけがないっ‼





「……あ、さっき思ったんだけど、小雪ちゃんと同期ってことは瀬野君も32歳なの?」






この店に向かう途中で少し疑問に思ったことを聞いてみる。




瀬野君が32歳というのも少々意外だが、
小雪ちゃんほどの衝撃ではない。






「まぁ、同期だけど。でも俺34歳。24歳のときにこっちに引き抜かれたような感じ。」






さらっとすごいことを言う瀬野君に、藤沢が顔をあげる。





「取引先との商談で瀬野は必ずと言っていいほどこちらの希望通りの結果出すからな。どこの会社でも重宝するだろうな。」






藤沢に褒められたのが初めてなのか、瀬野君は照れ笑いを浮かべた。





「そうだといいんですけどね。」





遠慮しつつもやはり褒められて嬉しいらしく、照れ隠しかお酒を何度も口に運ぶ。






飲み過ぎないようにな、と小雪ちゃんの話に付き合っていた櫻井さんが声をかけると、
大丈夫です、と答えて飲みながら櫻井さんと小雪ちゃんとの3人で話し始めるのだった。







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