双姫 IV 番外編


悠華side


カリカリカリカリ……


凄い勢いで文字を書いて行く
新たな娘の様子を見る。


「朱音…?
そんなに焦らなくても良いのよ??」


『………………。』


聞こえない程に集中しているのか
ノートが文字で埋め尽くされる。

確かに財閥の令嬢として
覚えなければならない事が沢山ある。


でも、詰め込み過ぎも身体に毒だわ!


「しゅお……ッ!?」


休憩させようと声を掛けた時に
朱音の瞳を見て寒気がした。

何も、何も見えていないかの様に
ひたすらぶつける事の出来ない苛立ちを
文字を書く事で紛らわしてる。


この子は…既に闇に復讐に捕らわれてる……。


悠華sideEND


< 6 / 549 >

この作品をシェア

pagetop