お嬢様 × 御曹司
「あ。」


見たことのある顔を発見し、おもわずこえがでる。


それはあちらも同じだったらしい。


「きてたんだ。」


「お前こそ。」


私の目の前にいるのは、兄さん。


いやーいるかなぁとは思ってたけど、まさかはちあうとは。


たけくんがいなかったのが不幸中の幸い。


「友達ときてるのか？」


うーん友達ということになってるけど。


「えー？男子1人とww」


ちょっと驚くかな？


「まじか？母さんに怒られねえの？」


うわ、本気にしやがった。


「ばーか、嘘だよ。」


ほんとだけど、本当のことを兄さんには知られたくない。


なんて言われるかわからないし。


私はそこでやっと、兄さんの隣に不安そうな顔をした安東優笑さんがいることに気がついた。


「あ！ごめん優笑。紹介するな？こいつは…」


「私から言うね！私はー」


さすが兄弟というか、気がつくタイミングが同じすぎて怖い。


でも、優笑さん本人に会えたのは嬉しいから、笑顔で挨拶をする。


「私は聖夜。日野原聖夜！よろしくね、安東優笑さん！」


彼女はキョトンとして私を見ていた。
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表紙・目次

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