【詩集】愛が死んだ世界
【彼らの死】
生きたいと願い
そこに言葉はなくて
死んでいるのかも
もうすでにわからない
穴が開いた鎖は
使い捨てにすぎず
私の性は血液ごと奪われ
最後のに残るのは
答えの出せない
現実だと知る
普遍が粉々に
砕かれ逝ってしまったのは
私がどうしようもなく、
愚かだった所為だと
今更思い知らされ

絶叫
砕けて散るのは
正常の皮を被ったピエロ
縫い付けられる唇で
放つ最後の言葉は

絶叫だけ

白黒の希望に縋っては
死に絶えた思い出を
かき集める
憎悪を抱いて
悪意を探して
それでも
それでも
私は生きたいと
願った
< 15 / 25 >

この作品をシェア

pagetop