【詩集】愛が死んだ世界

【瞼を閉じれば、闇】

空が裂かれて
血が溢れ出した
目を見開けば
酸の海が蝕んで
自分を拒絶するしかないと
諦めて目をつぶる


【浮上するのは涙】

呼吸に飽きて
毒を張った浴槽に沈みこむ
きっと私は浮きはしない
重く、おもく底に落ちて
答えを出せずに
全てなかった事にする


【優しい嫌悪】

一度でも人を嫌いになれば
もう二度と好きにはなれない
罪悪感も残さずに
私は貴方を拒絶する
愛が欲しいとねだったら
きっとみんな居なくなる
愛が欲しいと願ったら
きっとぜんぶこわれてく


【欲望の、消滅】

何でも一つ願いがかなう
そう言われたら
きっと私は
全てを消してと


言うしかない
別の答えを探すひまが、ない



ああ、私を消してでも
いいと思う