「君へ」 ~一冊から始まる物語~


その日は初めて授業を全部受けた。

でも黒板より、唯都の背中を見つめていた時間が長かった気がする。



私たちはずっと一緒にいた。

例え席が離れていても隣にいた。

今までの私たちの距離がそうであったように近くではなくても決して遠くではなかった。


この先も私たちはこんな感じで居るのだろうか。



放課後私は唯都の乗っている車椅子を押して生徒会室に向かった。

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