ばかって言う君が好き。

Aug


プルプルプル―――ガチャ。

「お疲れー。今大丈夫?」

「お疲れさま。
今お風呂出たところだから大丈夫だよ。」

週末、彼との電話。
平均30分。耳にじかに聞こえる彼の声。

どきどき。心臓がはねてる。


「明日からお盆休みだね、いつまで帰省するの?」

「んー、明日から4日間ぐらいは、帰省するかなぁ。
倫子は?」

「3日間かな?もしかしたら、延びるかもだけど。」
 スケジュール帳を開いて、予定を確認する。

前のデートした日は随分と前。
あー最近忙しかったし、帰省中含めたら2週間会えないことになるのかあ。
そう思った私と重なるように、

「しばらく会えないな、倫子に。」
 彼の冗談交じりな声が私の耳へ。

「ばか」
 彼も同じことを思ってくれていたのが分かって、嬉しさから思わず笑ってしまった。

「なんだよ。最近ばかばか言い過ぎ。」
 彼も笑い返す。

 恥ずかしさをごまかしてばかと言ってしまう私のこと、お見通しみたい。


「ねえ?」
 ちょっと真剣に声をかける。

「ん?」

「……帰省中も電話していい?」


少しの沈黙。


「ばか。

俺から毎日かけます。」

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