こんにちは、頭蓋さん。



どうやら今やっているのはある写真家の展示らしい。知らない人だけど。


単なる客寄せだろうとはわかっていても、これで頭蓋さんについてなにかわかるのなら行ってみたい。


と、そこで理子さんが少し眉を下げた。



「あ、でも美術館に行く道で痴漢がーーって、あれは男狙いだったし大丈夫かしらね」



おそらく頭蓋さんが言ったんだろう。あれから彼、ちゃんと仕事できたのか。

とりあえず笑っておいた。



「実は友達と行こうかって話していたんです。その彼は多分痴漢されないでしょうから、大丈夫です」



そう言うと黙って話を聞いていた竹永さんは嫌な顔をした。


彼氏がいるくせに他の男と美術館に来るのか、と思っているんだろう。


しかしそれに気づかない新井夫婦は多いに喜んでくれた。



かくして思わぬ幸運により頭蓋さんの職場へ行けることとなったわけだが。


とりあえず麻野さんにも口止めをして、私が美術館に来ることは頭蓋さんに知られないようにした。


あくまで展示を見に行くのであって、彼の仕事を邪魔する気はないし。



「では、また来るよ」

「桐島さん、美術館で会いましょうね」



料理を平らげ少しアルコールを摂った後、三人は帰っていった。なんだかここ、居酒屋みたいだな。




それから部屋に戻って夕飯の準備をして、ちょうどいいタイミングで頭蓋さんが帰ってきた。



「今日新井さんたち来たんだって? 何かお話しした?」



鑑賞に誘われたのは、内緒だ。



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