【B】きみのとなり


-花火大会当日-





あぁ~。
ベッドの中、一人
おもいっきりノビをして
体を起こす私。


私、橘高氷夢華。


枕元の携帯を手繰り寄せて
時間を確認。


やりぃー。

優秀優秀。

目覚ましよりも
先に目覚めるなんて
珍しい。


ベッドをゴソゴソと這い出して
寝室をゆっくりと出る。



「兄貴?」





家の中、兄貴の姿を探して
フラフラ。



ダイニングの机の上。


きったない兄貴の癖のある文字で
書きなぐられてる置手紙。







氷夢華、おはよー。
良く寝れたか。


最近、帰れなくて悪いな。
着替えと風呂にゆっくり入りたくて
帰ってきた。

良く寝てたから
声かけるのやめた。


今日、約束の花火だよな。


何事もなければ……
付き合ってやるよ。

朝食、
レンジの中にあるから食えよ。


じゃあ、先行くな。




嵩継





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