はじまりはミステイク



「でも、怪我しなくてよかった」


だから、そういう言葉を言われるとキュンとくるんだっつーの。


「それで聞きたいんだけど」


「な、何でございましょう?」


「さっき、なんで俺バカって言われたの?」


ギクリ。やはりそれでしたか。


「バカって言ったっけ?バーガーの間違いじゃない?」


無理やり変えようとするも……無理があるみたいだ。


「あまり」


「もうゴメン!あれはその、私は藤山と写真撮ろうと思ったのに、圭吾くんも誘ったからその、なんで3人なんだ!?って1人で思っちゃっただけで、そんな深い意味はないのっ」


私の言い訳を聞き終えた藤山は瞬きをする。


「え?俺と撮りたかったの?」


「俺とっていうより、いつもと違う藤山とね。ほら、学ラン姿だし!」


うちの高校はブレザーだから、学ランは新鮮なの。それにその……髪型とかもいつもと違うもん。


「なんだ。早く言ってよ」


「最初に言ったよ。藤山と撮りたいって」


「え、マジ?」


もう、あの時話聞いてなかったんだね!?



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