はじまりはミステイク



少しだけモヤモヤした気持ちを抱えて応援団の出し物タイムとなった。青団はダンスを披露する。そして、近くで踊る圭吾くんとは上手く話そうとするけど……自分の中で気まずさがある。


「天木、笑って」


すると、イキナリ両手で私の頬を支えた圭吾くん。私はパニックだ。


「けっ、圭吾く」


「へへっ、天木照れてやんのー!ほら、ダンス頑張るぞ!」


女装姿の圭吾くんがそう言った。きっと、いつもの圭吾くんからされたら、鼻血出してぶっ倒れてるかもしんない。


ふふ、何でかな。


やっぱり好きな人の力ってすごいのかな。


「照れてないから!ダンス頑張るよーっ」


ゲンキンな奴かもしれない。


でも、好きな人の言葉で、仕草でコロッと気持ちが変わるのは……恋してる証拠。


さっきまでモヤモヤしていた気持ちが、圭吾くんの言葉でどこかへぶっ飛んだようだ。


そして、青団のダンスのパフォーマンスはさっきとは違って、笑顔で披露する事ができた。


途中で圭吾くんと目が合う。思わずニヤけちゃったのはバレてない……はず。



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