はじまりはミステイク
❤︎避けられると腹が立つの



「はぁ……」


休み時間。教室の自分の席に顔を預けて大きなため息をつく。


藤山と別れてから3日が過ぎた。


圭吾くんの告白を断ってから3日が過ぎた。


毎日、自然とため息が出てしまう。


「そんなんじゃ幸せ逃げるよ」


一華ちゃんが頬杖をつきながら言う。


「いいの。私の幸せがみんなの幸せに変われば……」


「何アホなこと言ってんの」





あの日。3日前の日。


『まりりんがこんなに泣くの初めて見たよ』


泣きじゃくる私を一華ちゃんはずっとなだめてくれた。


『女の子の日の前は情緒不安定で』


『はいはい。そういうことにしとくね。ちょっとは落ち着いた?』


『……うん』


そして帰りにね、ソフトクリームを食べた。


珍しく一華ちゃんが奢ってくれたんだ。





「はぁ、なーんだろ。なんか何をやるにもやる気が起きない」


あの日以来、藤山にも圭吾くんにも会ってない。土日をはさんだってのもあるけど、出来るだけ会わないことを願っている。



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