はじまりはミステイク
私は、好きな人である圭吾くんに告白するために、密かに待ち伏せしていた。
そして、圭吾くんの声がしたから咄嗟に物陰から飛び出し、告白をしたら……告白した相手は知らない人だったというわけなのだ。
「すぐに間違いですって断ればよかったじゃん」
「それがお友達からよろしく的なこと言われて……!」
「顔も覚えてないの?全く知らない人?」
「うん。ぜんっぜん知らない。どうしよう、一華ちゃん!私知らない人と付き合っちゃうの!?初カレ誕生のはずが!?」
「いや、ストップ。まだ付き合うって決まったわけじゃないんじゃない?お友達からってことは……あれ?どうだっけ?」
一華ちゃんも首を傾げ始める。
「一華ちゃん、どうしよう。圭吾くんにも知られたくないし、この関係のままも嫌だよー」
「そうだよね。解決策を練らなきゃ。って、あたしの制服に鼻水つけないでー!」
「だっでぇ……」
その後もしばらく鼻水まみれの私だった。