はじまりはミステイク



それから、出来るだけ集中して英語のテスト範囲を復習した。頭の中は英語だらけ。もちろん、単語と意味は繋がりきれていないけどね。


「ヤバイ……頭痛い。英語が頭の中を……」


「よし、ここまでにしよう。まりりん、そろそ」


「終わり!?やった!」


やっと勉強から解放される嬉しさで飛び上がって喜んだ。


「一華ちゃんは今からバイト行くの?」


「うん。テスト前とテスト期間は短時間だけシフト組んでもらった」


「それでも成績いいなんて羨ましい」


「まりりんも努力すればいい時はいいんだから、もっと真面目にしなさい」


はーい。一華先生の言葉に右手を上げて返事をする。荷物を持って図書室から出て、廊下を歩いていると、


「ん?ギターの音がするね?」


「バンド?あっ、軽音部の音かな?」


軽音部=圭吾くん!?


「一華ちゃん、私ちょっと行ってくるっ」


「家に帰ったらさっきのところの復習するんだよー。じゃ、先帰るね」


そして、一華ちゃんと分かれた私は軽音部の元へ向かった。


「ここだ」


ドア越しにバンドの演奏を聴く。



< 36 / 246 >

この作品をシェア

pagetop