はじまりはミステイク
❤︎頭撫でんのは反則だって



「あまり」


「……」


「あーまりってば」


「…………ふんっ」


藤山の試合の翌日。朝から学校駐輪場で藤山とバッタリ会った私。藤山から声をかけられてもガン無視だ。


「何怒ってるの?昨日からラインしても既読無視。声かけてもガン無視。試合にも午後からいなかったし、どうやったら話してくれるの?」


「そんなの自分で考えてっ」


早足で靴箱へ向かう。後ろから藤山が追ってくる足音が聞こえる。


「分からないから聞いてるんだけど」


イライラの収まらない私はクルッと振り返り、藤山に言う。


「藤山に幻滅した。以上!」


「は?」


「当分話しかけないで。しばらくは藤山と話したくない。顔も見たくない」


そう言い放って再び歩き出そうとすると、藤山に左肩をつかまれた。


「待ってよ。俺も言いたいことあるんだけど」


「何?」


「なんで圭吾先輩と一緒にいたの?」


「たまたま試合会場で会って、そのまま合流した。それだけ」



< 48 / 246 >

この作品をシェア

pagetop