記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「わっ!!」


「あ、おい大丈夫か!?」


突然頭を触られたせいで、私は手元のお弁当を危うく落としそうになった。


「悪い、驚かせたか?静月って、なんか小さくてつい頭撫でたくなるんだよな」


「そ、そうですか……」


だからって、心臓には悪いので、止めてほしい。

私はコホンッと咳払いをして食事を再開した。


「なぁ、記憶と感情が分かるって、どんな感じなんだ?」


「……セピア色の映画を見ているような、ノイズの入ったラジオを聞くような感覚……ですかね」


「へぇ……すごいな」


「……あっても、良いことありませんよ」


もし、力の譲与が許されるなら、私は今すぐにでもこの力を譲り渡すだろう。


私が何をしたっていうの、こんな余計な力なんて授けられても、迷惑なだけ。






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