雨宿りの星たちへ
 


「……雨先輩のおじいさんが見たのは、きっと、雨先輩と私の未来ってことですよね」

「……っ、」

「だからこれは、私たちに宛てられた手紙で、私たちの未来を示す手紙でもありますよね」


ようやく見えた、希望の光。やっぱりそれは、余りにも不確かで、曖昧なものだけど。


「この手紙には、" 最後まで、生きることを諦めないで " と、書いてありました。" 最後まで、自分たちの未来を諦めないで " と書いてありました」


過去を変えることはできないけれど、未来は自分次第で変えることができるのだと。

それが、現在(いま)を生きる私たちへ平等に与えられた希望の光なのだと、この手紙には書いてあった。


そう、それは─── まだ見ぬ未来に届く、その日まで。


「……約束、しましたよね?」

「美雨……」

「最後まで、私を見届けるって。途中で勝手にいなくなったら、死んでから呪うって、私、言いましたよね?」


死ぬのが怖くて堪らない。だから生きたいって、それだけじゃ未来を望む理由にはならないのかな。


「だから雨先輩も私と一緒に、最後まで生きることを諦めないでください!! 最後まで、自分の未来を諦めないで!!」


必死に生きた " 今 " こそが、私たちの " 明日という名の未来 " をつくるのだとしたら、私は最後の最後まで、生きることを諦めない。

それが未来を諦めないことに繋がるのなら、死ぬのを怖いと思う自分さえ誇りに思おう。


「何がなんでも、私と一緒に生きてください!!」


雨先輩の頬を伝った綺麗な涙。

繋いだ手を、強く握って。

私は、未来にきみを、連れて行く。

 
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