圭哉くんは俺様且つ暴君。




「もしもし、夢子ちゃん?」


『ん?どした?』



帰り道。
やっと治まった嗚咽に深呼吸して、電話の向こうの夢子ちゃんへと言葉を紡ぐ。




「………。」


『小春?もしもし?』


「……振られちゃった。」


『…え?………は?』


「圭哉くんにね、告白して振られたの。」



へへっと笑ってみても、いつものようには笑えなくて。半分泣いて、半分笑ってる。そんな感じ。



『何で?いつの間にそんな展開になってたのよ!!』



「つい、さっき。」


『今からウチおいで!話聞いてあげるから!』


ちょうどバイトが終わったらしい夢子ちゃんは、絶対疲れてるだろうに…。


こんな時でもやっぱり優しくて、頼りになって、私のこと理解してくれてて。



「ありがとう、夢子ちゃん。」




夢子ちゃんが男の子だったら私、絶対 好きになってたと思う。



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