圭哉くんは俺様且つ暴君。


「けーいーやーくん!…あの、本当に私のことは気にしないで!」



靴を履き終えた私は、圭哉くんの下駄箱をひょこっと覗きながら叫ぶ。


「はぁ…。」


そんな私に溜息をつきながら、ツカツカと私の目の前まで歩いてきたかと思えば、

圭哉くんは私の頭の上にポンッと自分の手を乗せた。


「…?」


「お前は、無条件に俺を頼っていいんだよ。俺の彼女なんだから、俺が許可する。」


「…っ!」


な、何それ!!
……私だけ特別みたいじゃん。


「分かったら、さっさと帰るぞ。


……返事は?」



少しだけかがんで、私の顔を覗き込む圭哉くんの顔は涼しげで。



「………はい。」



私の頬は少しだけ、火照っている。

どうか、目も合わせられないくらい私の心臓がうるさいことには、気付かないで欲しいものだ。
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