圭哉くんは俺様且つ暴君。



帰りのSHRを終えて、またいつものようにカバンに荷物を詰め込む。



「小春〜!私、今日もバイトだから…って!小春!」


「……ん?」


いつものように"バイトだから"と自分の席から叫んでいる夢子ちゃんを振り返れば、


何やら驚いた顔で私を見ている。


「夢子ちゃん?」


不思議に思った私は肩にカバンをかけ、夢子ちゃんの席へと向かおうとしたけれど



「小春、帰んぞ。」


「っ!」



聞き慣れた声に、体が硬直するのが分かる。


そんな私を見た夢子ちゃんは、私に口パクで"またね"と告げるとそのまま教室を出ていってしまった。


ゆ、夢子ちゃんの薄情もの〜!!


「小春。」


再び聞こえてきた圭哉くんの声に、


「い、今行く!」



慌てて返事をして振り向けば、肩にカバンを担いで入口のドアにもたれ掛かる圭哉くんと目が合った。


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