クリア・スカイ

 次の日。昨日と同じ時間に家を出ると、すでに駆が自転車に乗って待っていた。駆はとっても眠たそうだ。


「おはよう。寝不足なの?」

「おはよ。うん、ちょっとな。いろいろ考えているうちに、目が冴えちゃって」

「……そっか。無理しないでね。じゃあ、そろそろ行こうか」

「おう」


 私は、昨日疲れてすぐに寝ちゃったけど、駆はそうじゃなかったらしい。私が思っている以上に彼は繊細な心を持っているのかもしれない。


「今日はスカートじゃないんだな」

「うん。やっぱりジーパンの方が動きやすいからね」

「自転車に乗るときは、スカートはダメだろ」

「はいはい、そうですね、お父さん」



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