天使のうた

君と、再会する。





あれから三年。
桜の舞う季節。


今までと違う制服を身に纏って、桜並木の側を歩く。



「優香!」


「あ、亜由美、おはよ!」


「おはよー!高校でもよろしくね」



私は高校生になった。



「高校生かぁ、絶対イケメンの彼氏作らなきゃ!」


「それ中学の時から言ってなかった?」


「もー、優香は相変わらず冷めてんなぁ。まだあの“初恋の彼”のこと忘れられないの?」



図星である。


あれからも私は、恭介のことが忘れられない。
今でも、暇さえあれば、恭介に会えるんじゃないかと河川敷に向かってたりする。



「もう忘れたら?多分一生会えないでしょ」


「…そうなのかなぁ」



一生。
その言葉がグサッときた。



もう、一生会えないのだろうか。



そう考えると、辛くなる。




きっとまだ私は、悲しいほど恭介のことが好きなんだろう。


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