MIRACLE・雨の日の陽だまり~既婚者副社長との運命の再会~
 不審者なのかストーカーなのか。
 その一件があるから、店長にはできるだけ早番でとシフトをお願いしているけれど、それももうやめようかと思っている。

 あれから自宅アパートの近くで不審者は現れなくなった。
 だから今までみたいに遅番勤務をしても平気ではないだろうか。
 それにこれ以上私が早番ばかりのシフトに入ると、窪田さんや萌奈ちゃんに迷惑がかかる。
 そんなワガママを言い続けるのは社会人としてダメだろう。
 この先も早番勤務しかできないというのなら、今の仕事は続けられない。

「今日も早番?」

「はい、そうです」

「どこから来た? 仕事帰りじゃなかったのか?」

「家から来ました」

 日下さんからメッセージを受け取ったときには、すでに仕事を終えて帰宅していた。
 だからメイクと服装を整えてまた外出してきたのだ。

「それは申し訳なかった。来るって返事があったから、仕事が終わったあとに寄れるのかと思ってた」

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