傍にいてギュッとして
彼の異名は「学園の王子様」
公立高校にも関わらず、〈学園〉の王子様。

「…笹木さん?」

ま、またしても私は竜也くんの話をスルーしてしまった…

「ほんとに、ごめん…」
「別に俺は大丈夫だよ。…こっちこそごめんね。」
「な、なんで千坂くんが…」
「笹木さんが優しいから。ありがとう」

竜也くんはたまに訳の分からないことを言う。

「コーヒー牛乳、好きなの?」

…今日はやけにコーヒー牛乳の話題が出てくる。気がする……
私は、返事の代わりに頷いた。

「美味しいもんね」

竜也くんは笑った。

「うん。美味しい。」
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