傍にいてギュッとして
振り返ると、優しそうに笑った顔。頬が少しピンク色をしている。

「翔貴先輩!」

廊下で会うことが出来た。良かった…

先輩の空間だけ、別世界に感じた。おもたい空気はやさしい風に。ほかの三年生の視線はあまり気にならなくなった。
先輩という盾に護られてるみたい…

「翔貴先輩。あの、これ…」

レポート用紙を差し出した。

「ほんとに朝までに!?大丈夫だった?」
「私は、ぜんぜん。」
「…ありがとう」
「い、いえっ!私にはこれくらいしか…」

先輩は、私の頭をぽんぽん、って二回…
私はびっくりして自分の頭を押さえた。
先輩は笑う。

「お礼。それじゃあまた、放課後に、ね。」
「はいっ!」

朝から翔貴先輩と話せて、少し気分は楽になった。
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