傍にいてギュッとして
年の離れた兄からずっと、キツく言われてきた言葉。
そんな世迷い言を、幼かった私は信じていた。
私は、毎日毎日兄と小指を交した。約束した。

――あの日までは。――

「お兄、ちゃん…?お、お兄ちゃん!!!」

お兄ちゃんはあの日、紅く染まった。私の目の前で。
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