傍にいてギュッとして
吉川。それが彼の苗字であり、あだ名。

「帆波先輩…そういえば、レポートとか言ってましたよね?まさか本当に完成させたんですか?」
「うん…」

吉川は、ペットボトルを私に差し出した。

「お疲れ様です。倒れないで下さいよ?」
「あ、ありがとう…」

ペットボトルを受け取るとき、彼のあたたかい手が触れた。

「先輩。今日は寝ること。」
「…はぁい」

…あ、そういえば、翔貴先輩には忘れ物したって言って出て行っちゃってるんだから。教室、戻った方が良いよね……?

「吉川。ごめん。忘れ物!」
「え?あ、ちょっと…!」

私は走りだした。

「あ、これ、ありがとう!!」

ペットボトルをみせた。すると吉川は笑った。それがなんか嬉しくって、私も吉川に笑いかけた。
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