命の灯が消える、その時まで


そういえば、と笑い尽くした藤塚くんが真剣な顔で切り出した。


「お前、今日検査入院だって。お前の母ちゃんも夜には来るみたいだけど。あと、俺ここの患者だから、なんかあったら呼んで? ケータイある? 」

「あ、はい」


おそらく藤塚くんが持ってきてくれたであろうスクールバッグの中からスマホを取り出して、藤塚くんに差し出す。


「え、俺見ちゃっていいの? ってかロックは? 」

「…ロック必要ないから。友達いないから誰も私のケータイ触んないし」

「ふーん。LINEやってんの? 」

「一応。クラスのグループ入ってないと面倒だし」



その関係で私のLINEの友だちは、1年のとき出席番号が近かった女の子1人だけ。


グループに招待するのに必要だからと登録されるけど、トークしたことは1回もない。


LINEを始めたのは高1の頃だけど、クラス替えのあともその子と同じクラスだったから、その子を通して今年のクラスのグループにはいった。


グループに入っていると言っても、トークに入っていくわけじゃないんだけどね。


ほんとに入ってるだけ。



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