結婚も2度目だからこそ!
***


……それで終わりだと思っていた。

なのに、気付けばずるずると関係は続いていく。

京香に気付かれないように、なるべく定時で仕事を終わらせ、彼女との時間を過ごす。

香水の匂いも気を遣ったし、普段と変わらないように京香にも接する。


バレてしまったら京香とは終わってしまう恐怖がすぐ傍にあったのに、気付かれるか気付かれないかの狭間で、そのスリルを楽しんでいる自分がそこにいた。



そのスリルがたまらなく刺激的だった。


きっと京香との恋愛はとても穏やかで、それに対して不満ではなかったけれど、つまらないと感じていた部分もあったんだろう。


これから一生平和な生活をするのは悪くない。
だけど、その中で少しだけ道が外れたっていいじゃないか。


その時の俺は、そこまで考えが堕落していた。



そんな関係がずっと上手くいくはずもなく。

京香が地元の友達と飲みに行くと実家に帰る前日、彼女はその日俺の家に来たいと言い出した。


京香はその日実家に泊まって帰って来ないと聞いていたし、あまり深く考えずにそれに応える。

駅まで送り届けた後、その足で彼女を迎えに行き家に招き入れた。


彼女は上機嫌でお手製の料理まで作ってくれたりして、それなりに楽しい時間を過ごし、そしてそのままいつものように彼女を抱き寄せる。


いつも京香と寝ているベッドで、京香とは別の女性を抱く。

その背徳感がたまらなくゾクゾクとした。


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