結婚も2度目だからこそ!
まさかそんな風に言われるとは思わず、一気に顔が赤くなる。

先輩は相変わらずニコニコとしたまま私を見ているけど、恥ずかしくて顔を見られなくなってしまった。


……先輩ってこんなこっぱずかしいことをサラッと言えちゃうような、そんなキャラだったっけ?

昔はもう少しクールだったような気が……。


「ははは、顔を赤くする京香ちゃんも可愛いなぁ」

「ちょ、ちょっと可愛い連発しないで下さい!もうそんな年じゃないんですからっ!」


恥ずかしすぎて、つい声を荒げてしまう。


可愛いなんて言われたのは子供の頃くらいで、圭悟にだって言われたことなかったのに。

まさか可愛いって言葉が、こんなに自分を乱してしまう言葉なんて知らなかった。


「いやいや、でも可愛いに年なんて関係ないよ。……あ、と悪い、ここでずっと引き留めてちゃ昼飯食えなくなるな。ゴメン、大事な昼休み時間を奪っちゃって」


先輩は腕時計を見ながら、そう言った。

それにつられて私も腕時計を見る。
確かにもう時間は経っていて、急いで昼ご飯を食べないといけないくらいの時間になっていた。

午後は午前よりも長い。
きっと覚えることが色々とあるのだろうし、ここで食べとかないと体力が持たないだろう。

「では先輩、またあとで」

そう先輩に言って戻ろうとする。
その時、先輩にこう声を掛けられた。


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