結婚も2度目だからこそ!
その時、ハッと気付く。


……もしかして。
先輩が私を毎週誘ってたのって……。


「先輩が私を毎週飲みに誘ってくれていたのは、私元気付けるためですか?」

「まあ、それもあるかな。でも一番は京香ちゃんと話すことで、俺がどんどん元気になれるから。……ゴメンね、俺のワガママで無理矢理毎週誘っちゃって」

「そんな……、ほとんど聞いているだけで、話題もそんなに出せなかったのに」

「そんなことない。聞いてくれてるだけでも、京香ちゃんが俺の前にいてくれたから、それだけで吹っ切れることができたんだ。だから次は君の番。京香ちゃんのために元気になれるようなソロを吹くから、少しでもその音に癒されてくれたらいいと思ってる」


――私のため――


その言葉が凄く嬉しかった。
目頭が熱くなる。

いつもは聴いてくれる人を思って吹くもの。
それを私のために吹いてくれる。

そんな嬉しい言葉なんて他にはない。
そう言われたら私は……。


「あ、りがとう、……ございます」



――限界だった。

涙が溢れて頬を伝う。

涙なんて、離婚届を書いてもらう時以来流してない。
その涙だって苦しさゆえの涙だったから、こんなに人の優しさに触れて嬉しさゆえの涙なんて、いつ振りなんだろう。

「泣かないで、京香ちゃん」

先輩は私の頬に触れて、涙を拭った。


大きくて温かい手。

つい、先輩の手の上に自分の手を重ね、頬に寄せてしまった。
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