十九時、駅前
第4章
月曜日。
家を出ようとすると、携帯が鳴った。
手間取りながらどうにか操作すると、
片桐課長からLINE。

“おはよう”
 
……えっと。これは一体?

戸惑ったものの、
いまので時間をかなりとられたので
急がないと電車に遅れる。
そのまま携帯を鞄に突っ込んで駅へと急いだ。
 
会社に着いて更衣室で着替え、
最後にもう一度携帯を確認すると、
ちかちか光ってた。

“既読スルーかよ”
“いま、電車の中か?”
“俺もいまから出る”
 
……なんですか、これ?
あの人はなにがしたいんですか?

とりあえずなにか返しておかないと
あとが怖い気がして、ちょっと考える。

“おはようございます。
 今日も一日、頑張ってください”
 
送信ボタンを押してロッカーに放り込む。
自分の席に着くと、
すでに来ていた片桐課長の姿に
心の中で盛大にため息が出た。
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